広島大学東広島キャンパスにおける
水利用システム及び再利用ポリシーについて

東広島キャンパスで使用される水は、学外(東広島市水道局)から供給される水道水及び環境安全センターから供給される再利用水(中水)です。水道水と中水は目的によって使い分けられます。水道水は飲料用を中心に利用され、中水は雑用水(実験器具の洗浄水、トイレの洗浄水、ク-リングタワー冷却水、魚類の飼育水、散水等)として利用されます。中水は飲料用には利用できません。中水の利用によって水の使用を最小限に抑える設計となっており、可能な限り、水の再利用を最大化する方針としています。

一方、学内で排出される排水は、実験系排水と生活系排水に分けられます。実験室から排出される実験系排水は、"濃厚廃液"研究室で分別して定期的に回収されます)と"一般実験系排水"(実験室の流しから直接環境安全センターに送られます)に分けられます。濃厚廃液は外部委託業者により適切に処理されます。一般実験系排水は環境安全センターで適切な処理がなされ、処理水は中水として学内に供給されます。一方、生活系排水は学内では処理されず、東広島市の下水処理場に送られ、処理されます。このように排水の種別に応じた排水ルートを整備し、適切な処理を行うことで、大学での事故や事件等により汚染された水が給水システムに入ることを防ぐ仕組みが整えられています。

排水処理システム

ではなぜ実験系排水と生活系排水は異なった扱いがなされるのでしょうか。

これは実験系排水が生活系排水と異なり、重金属をはじめとする様々な有害物質を含むためです。
生活系排水は一般に活性汚泥法という微生物を利用した方法で処理されます。これは排水中に含まれる汚濁物質(有機物)を微生物によって分解除去する方法です。そのため活性汚泥法は、微生物によって分解できる汚濁物質のみが処理対象となります。一方、研究、教育活動の過程で排出される排水中には重金属をはじめとする微生物によっては分解除去できない、あるいは微生物に対して毒性のある様々な有害物質が含まれています。そのため実験系排水を生活系排水を処理している学外の下水処理場に流すと、処理を受けない汚染物質が環境中に排出されると同時に、下水処理場の処理システムにも多大な悪影響を及ぼす危険性があります。

そこで実験系排水は生活系排水とは別に大学内の環境安全センターで適切な処理を施しています。

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